ガバメントクラウド超入門!○○に例えて学ぶクラウドのしくみ
こんにちは!
デジタル行政戦略課のてらさわです。
私は今年4月からデジタル行政戦略課に配属され、自治体システムの標準化業務に関わっています。
システム標準化に向けた打ち合わせに出席すると、以下のようなIT用語が飛び交います。
ガバメントクラウド
トランジットゲートウェイ
プライベートリンク
アドレスベースレジストリ …etc
・・・え?何?
ガ〇ダムの必殺技?
当初は知らない用語や、見慣れない構成図にひたすら悪戦苦闘する日々が続きました。
現在は少しずつシステム標準化業務にも慣れてきたのですが、
と、感じることが多々ありました。そこでふと、
と思い立ちました。
今回の記事ではシステム標準化業務に密接な関わりがあるガバメントクラウドについて、駆け出し初心者の私と一緒に学んでいけたらと考えています!
本記事を書くにあたって、専門的な言葉はできるだけ使いません!
私がわかりませんからね!!!
※代わりに正確性に欠ける表現が出てきますがご容赦ください。
それでは早速やっていきましょう~!
システム標準化って何?なぜするの?💻
突然ですが、皆さんは市区町村の役所に足を運ぶことはありますか?
転出、転居、婚姻、出産、各種税に関する手続きなど、各自治体の行政サービスは多岐に渡ります。
これら行政サービスは、当然どの市区町村の自治体でも同じように受けられます。
一方で、行政サービスを提供するためのシステムに関しては自治体ごとに独自のシステムを構築しているのが現状です。
また近い将来、少子高齢化により職員数が半減するとも言われている昨今において、行政サービスを維持していくためには、システムの効率化が必要不可欠です!
そこで、全国1,741もの自治体の業務システムの仕組みを統一することで、業務効率化を実現、ひいては行政サービスを発展させて行こう!と、システム標準化プロジェクトが始まりました!
システム標準化を行う期限は原則2026年の3月末であり、期限までに、国が用意するガバメントクラウドという環境へ業務システムをお引越ししよう!という目標を掲げ、全国の自治体がシステム標準化を進めているところです。
(厳密にはシステム標準化は義務ですが、ガバメントクラウドの利用は努力義務です。ただ、義務にかかわらず「2026年の3月末に間に合わない自治体も・・・といった報道があったりと、実態はちょっとカオスです。)
そもそもクラウドって何?☁
ガバメントクラウドを学ぶ前提知識として、そもそもクラウドとは何か?を整理しておきましょう。
最近よく「クラウド」って単語は聞きますが、従来のシステムとはどんな違いがあるのでしょうか?
例えば、手元に音源が無くても聞くことができる、音楽のストリーミングサービスはクラウドだと聞いたことがありますが、いざ説明しろって言われると、なかなか上手く説明できないですよね・・・
社会のデジタル推進活動を行っている、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が掲載しているクラウドの定義は次の通りです。
と、いうことのようです!お分かりいただけましたでしょうか?
あー、なるほどね。完全に理解した。という方は、ガバメントクラウドとは?の説明記事までスクロールしてください。
私のように、
と、思ったそこの方!
続きを読んでいただければ何となく分かるようにクラウドのしくみをご説明します!
クラウドを○○に例えて解説!?
クラウドの説明冒頭の、コンピューティングリソースって単語から馴染みがないワードですので、ここからは身近な物に例えて説明していきます!
今回はクラウドを、金沢でも大人気な
お寿司屋さん🍣
に例えて解説します!!!
お寿司屋さんを開くために、色々なものを自前で用意するとします。
例えば、以下のものが必要ですよね。
調理前の食材(米、魚、のり)
お寿司を作る空間(土地、建物)
各種設備(キッチン、電気、調理器具)
寿司職人
以上が従来の方式で必要な準備です。これがクラウドになると・・・
調理前の食材(米、魚、のり)
寿司職人
以上のみ、自前で準備。残りは全てレンタルになります!
自前で用意するものが少なくなって、準備が簡単になりますよね。
これをシステムに置き換えると💻
調理前の食材 ⇒ 入力データ
寿司職人 ⇒ プログラマ、システムエンジニア
以上のみ用意し、コンピュータや設置場所はレンタルすることになります。
結果、クラウドには以下のメリットが!
維持・管理が楽(建物や設備のメンテナンスはレンタル会社におまかせ)
初期費用が安い(建物や設備を初めに買い揃える必要無し。毎月の家賃を払うだけ。)
拡張性が高い(急に広い建物や新しい設備が欲しくなっても借りるだけ。手続き簡単。)
・・・いやいやクラウド、めっちゃすごくない?
と、思った方、残念ながらデメリットもあります!
維持管理は自分でやるより割高(プロによる高品質だから当然)
レンタル費用を払い続ける必要あり(借り物なので仕方なし!)
自由度が低い(レンタル事業者が用意するメニューからのみ選択です)
いかに人気なクラウドと言えども、決して万能ではなく、一長一短ですね!
お寿司屋さんを開くために必要な他のものも、システム運用に置き換えてみましょう。
お寿司を作る空間(土地、建物) ⇒ サーバ室
各種設備(キッチン、電気、調理器具) ⇒ コンピュータ(サーバ、ストレージ、アプリケーション)
道路 ⇒ ネットワーク
お寿司 ⇒ システムでの処理結果
これを踏まえて、クラウドについてざっくりと説明すると、
といった感じになります!
冒頭のクラウドの説明についても、何となく意味が伝わるようになったのではないでしょうか!?
ではガバメントクラウドとは?
それではクラウドについて何となくイメージがついてきたところで、ガバメントクラウドについて学んでみましょう。
直訳すると「政府クラウド」になりますが、一般的なクラウドとはどのような違いがあるのでしょうか?
デジタル庁の資料からガバメントクラウドの説明を引用してみます。
なるほど。文字通り政府機関が用意してくれるクラウドサービスということですね!
現状、利用者は国の行政機関と自治体のみという制約はありますが、その分セキュリティレベルが高いサービスとなっているようです。
標準化業務に携わって思ったこと
ガバメントクラウドは「クラウドの利点を活用しつつ、よりセキュリティレベルが高いサービス」というメリットがあるものの、実際の移行にあたっては様々な課題に直面しており、金沢市でもメリットを享受することはまだまだ先になりそうです。
期限が迫る中で解決策を模索する日々が続くと、「なんでこの作業をやっているんだろう・・・」と考えることもありますが、本記事を見返すことで、システム標準化プロジェクトの初心に返ろうと思います。
過去の記事にもありますが、行政DXにおけるD(デジタル)はあくまで手段です。
ガバメントクラウドもデジタルツールの一種であり、移行自体が目的とならないように、行政サービス向上のため、何が最善な行動か考えて進めていきたいと思います。
さいごに
ここまで、ガバメントクラウドに初めて触れる方向けの超入門として、クラウドのしくみをお寿司屋さんに例え、ガバメントクラウドの特徴について解説して来ました。
ガバメントクラウドという単語を聞いて、「何か難しそう・・・」と思っていた方も、本記事を読んで理解を深めていただけると嬉しいです!
ガバメントクラウド有識者の皆さん、「その例えはおかしい!もっと○○だ!」と指摘したくなる内容かと思いますが、初学者が学ぶ足掛かりとなる記事を目標としておりますので、ぜひ温かい目で見守ってください。_(._.)_
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色々と解説してきましたが、最後まで読んでくださった読者に伝えたいことはただ一つです!
金沢市のお寿司は本当に美味しいので、一度食べに来てください!🍣
毎年11月上旬ごろから、カニも解禁しております🦀ぜひお越しください!!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。